昨日の記事でご紹介した土鍋は、伊賀の土を使っています。
伊賀は約300万年前は琵琶湖の底だったそうで、その湖底だった頃に蓄積された土は、海と交わらなかったために塩分を含まず風化が進み、唯一無二の優れた粘土になりました。
土鍋は、使っているうちに入る鍋底の無数のひびの隙間が過熱による膨張で埋まり丈夫になっていきますが、昨日のような多彩な料理ができるのは、一般的な土鍋よりも耐火性・耐熱性に優れている伊賀の土鍋だからです。
特にご飯を炊くには土鍋は最高で、火の伝わり方が遅く、蓄熱性が高いので、じわじわとお米の中まで熱を伝えて、ふっくら艶やかなご飯を炊き上げます。
土鍋は縄文時代から作られていた最も古い調理道具。最も古い道具が最新の電氣炊飯器よりも優れているというのは、面白いですね。火の力は電氣の熱とはまったく質が違う、ということもあるでしょう。しかも、電氣炊飯器よりも低価格で、電氣への依存を減らす手段の1つとしても有効です。