お金で買えない伝統・文化・歴史・物語

2019-09-29 | 店のこと

 私は何年も前の通信に、「伝統・歴史はお金で買えないからこそ価値がある。アメリカは建国200年で、どんなにお金を出しても建国2000年にはできない。日本の伝統・歴史は宝である」という趣旨のことを書きました。

 10年やって本物、20年やって敵がいなくなり、30年やって歴史に残る
というお話も伺ったことがありますし、

 絵本作家、お笑い芸人の西野亮廣(にしの あきひろ)さんも以下のように書いています。
「クオリティーはお金で買えますが、文化や歴史や物語といった【時間の経過】は買うことができません」

 先日いらしたお客様が、
『「ほさか」さんは、お父さんお母さんからのお店で、そんじょそこらのお店とは違います』
と仰ってくださいました。
 私は、東京でサラリーマンをしていましたが、辞めて地方にある店を継ぎました。
今は子どもがいても親の志事を継がない人が多いようですが、私は継いで本当に良かったと思います。今は創業から38年目ですが、30年を超えてから、特に店に歴史があることがどれだけ有難いことか、をひしひしと感じています。
 両親が続けて亡くなり、今のような特殊な営業形態にしても成り立っているのは長年継続してきたからだと思っています。とても有難いことです。
私が店に入る前の10年。創業からの10年間が一番大変だったと思いますし、この10年が大きいのです。両親に感謝です。

 蛇足ですが、東京でサラリーマンを続けていたら、ストレスで禿げ家系の私はとっくに禿げていただろうと思うのです。禿げ防止効果どころか、髪が増えた人までいる世界に誇る逸品、「つげのブラシ」に出逢うこともなかったでしょうから(つげのブラシの取扱いを始めたのは、私が店に入ってから品物に出逢い、職人さんにお願いしました)。
(つづく)


戻る