船木威徳医師の記事

2024-11-07 | 店のこと

いつも素晴らしい文章で、FBのフォロワーが約17000人いらっしゃる船木威徳医師が来店され、輪島の塗師屋大崎さんご夫妻のお話会にご参加いただき、輪島の漆器展・魔法の箒展と1階ショップをご覧いただいたこと、輪島塗の中でもピンの輪島塗と魔法の箒について、記事を書いてくださいました(最下部)。
これほど丁寧に記事を書いてくださったことに驚きましたし、とても有難く感謝しています。

いつも「輪島塗にもピンからキリまであります」と言っていますが、船木先生の記事を読んでいただくと、当店の輪島塗や魔法の箒が一般的な漆器や箒とは、まったく違う別次元の高品質なものであることがお分かりいただけると思います。そばちょこ型のカップをお使いいただき、「何を飲んでもやわらかい味になる」と、まさに、「未体験のことは正しく想像できない」だったのではないかと思います。
文中にある、133工程は、大崎さんによると「他の工房ではそこまでやっていない」ということでしたし、「伝統の工程を守っていないものは、本来輪島塗とは呼べない」という心意氣で、手を抜かない物造りを続けていらっしゃいます。
私が、他の輪島塗ではなく、大崎さんの漆器を長年取扱い・お勧めしているのは、断トツの品質と、そういった「想い」「志」「人間性」に共感しているのも理由の1つです。

「魔法の箒」は、「度肝を抜かれた」ということで、「世界最高のMade in Japan」は、想像を超えていたようです。「本物との出逢いで人生が変わる」のです。
掃除機を使うよりも断然エコでお金が節約できることに加え、お使いになっているお客様の代表的なご感想を5つ、いつもお伝えしています。
「掃除機よりもゴミが取れる」
「掃除機よりも便利」
「お掃除が楽しくなりました」
「自分の心まで清められる」
「場が浄化される」

講演会にお持ちしている品々のレベルになると、「物を買うのではなく、本物でしかできない体験を買う」とお伝えしています。

船木先生が書いてくださった
たくさんのにせものに騙され、見えなくされ
大切な先祖たちの智慧や技術、真の資源まで
売り払い、または途絶えさせてしまっている
日本や日本人を、いま一度生き返らせるのは
他国の大統領でも、声の大きなものでもなく
私たち日本人の一人一人である

まさに、私が講演会でお傳えしていることです。
政治家や他人を批難するより、救世主を求めるよりも必要なことは、私達一人ひとりが行動や実践をすることです。
それなくして、社会は良くなりませんし、日本・子ども達の未来も厳しくなります。
政治家・他人のせいにしているうちは駄目で、自分達でなんとかする、という気概や志が大事です。

以下、船木医師の記事です。



【本物が作る「氣」】
実は、先週末、とある街に行っていまして。
ある県の県庁所在地で、全国的に有名な
大名の天下だった場所です。
その街のあるお店をたずねた目的は、
元旦の能登の震災に直撃された、ある、
輪島塗の工房の代表ご夫婦の話を聴くこと。
私は、北海道にいた学生時代、神戸にあった
実家は、阪神淡路の被害に遭いました。
今度は、2011年の東日本で都内でも大変な
揺れに見舞われ、自分がいた診療所が、
あきらかにゆがむのを見ながら、診察台の
下にかくれて、もう本当に、死を覚悟しました。
なので、震災ということばを聞くだけで、
いまも涙が出そうになるのです。なぜか、
能登の地震については詳しい情報がなかなか
入ってきません。そして初めて聞いた現地の
体験談は、壮絶の一言です。
それなのに、漆器のすばらしさ、職人として
ただただ「日本の伝統と、豊かな資源」を
淡々と守り抜いてきたその姿勢に驚くばかり
でした。
漆器は英語でjapanとあらわしますが、
世界が日本の漆器こそ「漆器」だと評価して
きた理由が、深く理解できたのです。
輪島塗の完成までに133工程があって、その
ひとつでも抜けたら、輪島塗とは認められ
ないと言います。
塩酸や硫酸を入れても平気という、漆器。
その工房のご主人は「しまい込まずに、毎日
使ってこそ、味わいが出てくる」と言います。
一生もの、どころか代々使えるものとは言え
私もその「本物」の漆器を手にするのは
人生で初めてなので、お茶でも、酒でも
なんでも注げる器をひとつだけ買って、
毎朝、毎夕、すべての飲み物をその器に
注いで使い始めたところです。
とにかく、軽くて手になじんで、温かい。
麦茶も緑茶も、焼酎の炭酸割も、みんな
やわらかい味になるのです。
丈夫なのに、唇にあたるやわらかさが
なんとも言えない・・・。
本物の漆器は、日本で育ったウルシでしか
作れないとのこと。化学的な分析をおこなって
中国産の原料とは明らかな違いが生じるとの
ことでした。だからこそ、japanなのでしょう。
終始笑顔の、ご夫婦でしたが、これまで、
そして地震後の避難所生活では血のにじむ
ようなご苦労があったはずです。被災した工房
の作品もまだ、すべては運び出せていない
そうです・・・。
あまり書くと、私が泣きそうなので、あくまで
日本の職人さんたちの生み出した作品に
ついて、学び、大事に、そして普段から
使い続けて、大切な日本の文化を応援して
いきたいと強く想ったということを記すに
とどめておきたいと想います。
そして、訪問のもうひとつの目的は、
その能登の漆器の職人さんたちを呼んで
展示会・講演会を開いておられた、私の
知人のお店を見せてもらうことでした。
もう、なんというのか、置かれている商品の
すべてが、
本物
で、本物しかない、としか説明できません。
履物のひとつ、シャツのひとつについて
尋ねようものなら、一品目の説明だけで
15分くらいかかるのです。
本当は甲府の観光もしたかったのですが、
結局、帰りの列車の時間までお店にいました。
日常生活で当たり前に使う、調理器具、食器、
衣料品、履物から木製ヘアブラシ、あと、
ここには書ききれないほどたくさんの品を
詳しく見せてもらったのですが、私がなかでも
心奪われたのは「ほうき」でした。
30年は使えて、電気掃除機よりもきれいに
掃除ができる、とのことでした。もちろん、
いろいろいいなあと感じるものはありましたが
どうしてもその「ほうき」に想いが向き、
自宅用に、ほうきをぶらさげて、電車を
乗り継いで帰ってきたのですが・・・。
驚きました。
本当に、度肝を抜かれる、というのは
こういうことを言うのでしょう。
自宅のフローリングの床を、言われたとおりに
数回、軽く掃いただけです。それなのに、
掃除機をかけているはずの床から、ほんの
狭い範囲をそのほうきで掃いただけで、
ほうきの先に驚くほどのほこりや髪の毛、
ちいさなゴミがついているのです。
そして、本当にお伝えしたいのは、その先。
私は、普段から自宅でははだしでいるのです
が、数回ほうきをかけただけの床の感触が
全く違うのです。そして、どう表現したらいいか
分からないのですが、
部屋の空氣が変わります。
雑音が遮断されて、空氣がきれいになり
よどみが消えてなくなるような感覚。
喩えるなら、静かなお寺のなかに入った
あの感覚です。
そのお店は、
『 日本の匠と美 ほさか 』
と言います。
お店の店主で知人の、
保坂浩輝さんが、ほうきの説明をしながら
話していたことで、ひとつだけ強く記憶に
残っていることがあります。
「日本語では、ただ掃く、拭く、ではなくて
『掃き清める、(窓を)磨く』ということばを
使いますよね。掃除ひとつとっても、
やっているのはただの掃き掃除、拭き掃除
だけではないのです。」
実際に、その(岩手県二戸市で材料を栽培、
製造)ほうきを使って、部屋を掃除して、
感動しながらも、ふと想ったのは。
こんなに目に見えるレベルの汚れにさえ
気づかないで、汚れ、すさんだ部屋で
何十年と過ごしてきたなかで、積まれてきた
汚れ、よどみ、穢れというものが、なおさら
私自身の目や心の力を貶めてきたのでは
ないかということ。
小さい時に、私は、山口県の田舎町に
住んでいたのですが、自宅の近くのお寺の
住職さんに書道を習いに行っていました。
幼稚園の頃のことです。
だだっ広いお堂のなかで習字をしたのですが
まず最初に、床や柱の雑巾がけをさせられて
いたことを想い出します。(さらに住職の
腰を踏むように言われたことも・・・)
そしてようやく、きれいになった部屋で、
習字の時間になるのですが、いま想えば、
床や柱を拭くことで、子どもたち自身の心を
清め、落ち着かせて、大きな仏像にむかって
書き方に向かわせるという、そんな段取り
だったのかもしれません。
電気掃除機では、決して取れない「汚れ」。
それを取り去ることができるとするなら、
やはり「本物」の力、日本人に受け継がれた
「本物」の智慧なのだとよく分かりました。
日本には、日本人には、数えきれないほどの
「本物」が受け継がれています。それを知り、
実際に本物を作り、支えている人たちに聞く
なら、真の意味で日本人の眼が開かれる
でしょう。
たくさんのにせものに騙され、見えなくされ
大切な先祖たちの智慧や技術、真の資源まで
売り払い、または途絶えさせてしまっている
日本や日本人を、いま一度生き返らせるのは
他国の大統領でも、声の大きなものでもなく
私たち日本人の一人一人であることを
あらためて想わずにはいられない、そんな
ほうきとの出逢いでした。
「私たちの日本には『本物』がある」
(ふなきたけのり・百姓医者)

輪島の漆器・魔法の箒は1階ショップでご覧になれます

2024-11-05 | 店のこと

昨日4日まで、当店2階ギャラリーで同時開催していた、「輪島の漆器展」と「魔法の箒展」は無事終了しました。
ご来店・お買物いただいた皆様、ありがとうございました!

今年は地震と水害の二重被災という例年とは違う大変な状況の中、塗師屋のご夫妻に輪島から甲府までお越しいただき、展示会だけではなく、特別企画「輪島塗で和食を楽しむ会」「輪島塗のお話会」も開催し、共に大好評でした。

年初から義援金を募り、すでにお渡し済みでしたが、両企画の参加費を義援金としてお渡しし、他にも会期中に義援金をお持ちいただいた方もいらっしゃいました。皆様の温かいお心・お氣持ちに改めて感謝申し上げます。

そして、何よりも品物を購入することが応援になります。
職人さんの生活を支え、輪島塗・本物・傳統を守り、次世代に繋ぐための企画を開催することができ、お客様と直接お話をしていただき、ご夫妻にも喜んでいただけました。「繋ぎ手」としての役目を果たせて、良かったです。

多くの品々をご覧になれるギャラリーでの展示会は終了しましたが、引き続き支援するために、今後も1階ショップで輪島塗の定番人氣商品(感動するスプーン・お椀・箸・お膳・鉢・皿・カップなど)を展示販売致します(魔法の箒も同様)ので、会期中にお越しになれなかった方は、ショップでご覧いただければ、と思います。

私の今年最後の講演・体験会は、甲府店ギャラリーにて11月10日(日)午後に開催します(添付)。
https://fb.me/e/44R4a1037
あと2~3名様、申込み可能です。
ご参加いただくと、ハッシュタグの言葉の意味がよくお分かりいただけると思います。

#すべて逆
#自分を大切に
#家の環境は大切
#ゴミにならないモノを選ぶ
#一生モノではなく代々モノ
#一人の10歩より100人の一歩
#人にも環境にも優しい暮らし
#基準は漏らすか漏らさないか
#本物との出逢いで人生が変わる
#価値がわからないことが大問題
#手間ひまかけられることが豊か
#日本人が日本のことを知らない
#日本が守るべきものは伝統である
#手間ひまかけたものには魂が宿る
#教育を根本的に変える必要がある
#未体験のことは正しく想像できない
#全分野で自分で自分の首を絞めている
#買物は選挙より大切な毎日できる投票
#本物とそうでない物は圧倒的な差がある
#八方良しを目指して

 


輪島展・箒展・干支・クリスマス・お正月・土鍋・冷え対策

2024-10-31 | 店のこと

本日で10月も終わり、なんと今年もあと2ヶ月。
前回の記事にも書いたように、明日11月1日~4日は、2階ギャラリーで「輪島の漆器展」と「魔法の箒展」を開催します。
本日、展示会の準備を整えました。
地震と水害の二重被災という困難の中、職人さんが4日間毎日在廊してくださいますので、直接お話をしていただければと思っています。
「輪島まではなかなか行けない」けれど「甲府なら行ける」、という方は多いと思います。ぜひ応援にいらしてください!

1階ショップでは、干支「巳」・クリスマス・お正月・秋冬のインテリア(暖簾・タペストリなど)、いよいよ鍋の季節になりますので土鍋、冷え対策の品々(ブーツ・マフラー・ストール・帽子・レッグウォーマ・アームウォーマ・ルームブーツ・靴下・0円暖房の椅子)など、取り揃えてご来店をお待ちしています。

※サーバーの不具合で昨日までの2~3日の間、HPが表示されなかったようです。申し訳ありませんでした。





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