『「八方良し」を目指しての中で、「日本は資源大国」と書いています。1つは「先人の知恵」です。目に見える物だけが資源ではないのです。
漆器ひとつにしても、ものすごい知恵と工夫が詰まっているのですが、その知恵と工夫を活かさずに偽物(プラスティックに化学塗料の物や漆が塗ってあっても良い仕事がされていない物)が溢れています。
多くの日本人は、先人の知恵と工夫がいかにすごいかを知らないのと、偽物の悪いイメージが先行して、漆器を使わなくなっています。
和食と洋食の違いは、
1 器を手に持つかどうか
2 味噌汁は器に口をつけるがスープはスプーンで飲む
唇や舌の触感で美味しさと心地良さは大きく変わります。
いまだにどんな化学塗料でも、日本の本物の漆のしっとり感を出すことができません。
スプーンも金属製と漆のスプーンでは天と地の差があります。
スプーンも金属製と漆のスプーンでは天と地の差があります。
本物の漆器は、中の木地も漆も長い年月を経た命をいただいています。その工程を知れば、感謝や大切に使おう、という感謝の氣持ちが生まれます。
食べ物だけでなく箸も器も命をいただいている、
だから「いただきます」と言うのではないかと思います。
※写真は、左が新品・右が私が愛用しているお椀。溜塗なので赤味を帯び、使い艶が出てピカピカに。