「捨てないパン屋」その6 先人の知恵と工夫の結晶

2019-02-28 | 八方良しを目指して

 田村陽至さんの名著「捨てないパン屋」から。
『パンづくりで使うイーストは、酵母菌の集まりで、~中略~ 問題は「酵母菌はタンパク質=グルテンを分解しない」。だからイーストでつくったパンは胃に負担がかかった』
『昔ながらのパンづくりは、乳酸菌が主役の発酵。そんなパンは食べても消化不良を起こしにくい』

 最近、ジョコビッチ選手の活躍などでも話題の「グルテン」の問題。この本を読むと良く理解できますから、地元の本屋さんで買って読みましょう。
パンも昔の創り方が体に優しいのですね。昔の人はすごいです。

『小麦を主食にしている国はたくさんありますが、ほとんどの国では、わざわざ発酵させてパンで食べています。タンパク質であるグルテンは、パンづくりの工程で、乳酸菌によって、消化吸収されやすい状態にまで分解されます。~中略~ 菌の存在も知らず、発酵という概念もない時代に生まれた食文化ですから、膨大な試行錯誤の結果だと思います』

 私が、「傳統・傳統」と言う理由のひとつがこれです。
 例えば漆器創りにしても、どんな素材を使うか、工程の内容・順序、道具、先人は膨大な試行錯誤をしたのです。現代人は、「先人の知恵と工夫の結晶」を無料で享受しているのですが、その価値や有難味に氣付いていない人が大多数。なんてもったいない!と思うのです。
 低価格品を求める人が多く、漆器も偽物だらけになり、使う人が減ってしまったのはとても残念なことですが、店で長年本物の漆器をご提案し続けているので、理解してくださる方が少しづつ増えてきています。真の本物を使うと感動されます。

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