「捨てないパン屋」その12 古い方法が最新の方法より優れている

2019-03-09 | 八方良しを目指して

 田村陽至さんの名著「捨てないパン屋」から。
『縄文の昔からつい最近まで、薪を燃やして煮炊きしてきた』
『ふと氣付くと、私たちは薪の炎から遠ざけられてしまっています。それは太古の歴史からはじめてのこと』
『大きな日持ちをするパンを焼くには、ガス窯や電気窯よりも、圧倒的に薪窯が適しています』
『薪窯でパンを焼くと、自然に窯の温度は下がっていきながらパンが焼かれます。じんわりと熱が入っていくことでしっかり焼き込めます』
『自分が感動しているのは、「一番古い方法が、最新の機材よりも優れていた」ということです。これがレトロ・イノベーション。古い方法での革新です』

 炎の力のすごさ・素晴らしさを現代人は軽んじていると思います。
 焚火の暖かさや、五右衛門風呂の氣持ち良さ・温まり方・湯冷めしないことなど、体験したことがない人が増えているのではないでしょうか?もう電氣で温めたものなんて比較にならないくらい違うのですが、その差を知らない人が増えてしまったんですね(私も五右衛門風呂のすごさは最近まで知りませんでした)。
なんでもかんでも電化してきたわけですが、電氣への依存が異常なほどになったために巨大な発電施設が必要になり、原発事故に繋がりました。これも退化と言えるでしょう。
 電化製品が増えたのも貧しくなった=質が下がったのです。炎を使わないIHクッキングヒーターがその象徴で、電磁波の健康被害の問題もあります。他にも例えば、電氣炊飯器。一流大学を出て大企業に入った方々が、どうやったら竈(かまど)や土鍋で炊いた味が出せるか、ということを懸命に研究して作っています。
最初からうちの店の土鍋で炊いたほうが、時間で炊けて、美味しくておこげも食べられて、値段も高級炊飯器よりもずっと低価格。処分せざるを得なくなった時も土に還る素材はどちらでしょう?

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