江戸時代までの子育て

2018-11-25 | ほさか式幸せ生活

 フェイスブックに、株式会社地域情報計画研究所代表取締役の石垣稔さんが、「江戸時代までの子育て」という投稿をされていました。とても大事なことだと思いますので、以下に転載をさせていただきます。

子が生まれたとき、親の最大の役割であり、かつ、親として最も意識すべきは、子どもの早期な健全的自立です。

江戸時代までは、「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理、で末決まる」と言われていました。これは、子の自立(親離れ)だけでなく、親の自立(子離れ)の手順も説いた言葉です。これは子どもの脳の成長に即したもので、この過程を経ていくとき、子どもは人としての道理や倫理を学び、最も重要な「こころ」が育てられます。時代が変わり、現代社会においても、不変(普遍)的なことであり、実際に学ぶところも多くあります。
 
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▼三つ心(みっつこころ)
「三つ子の魂百まで」と言われる通り、子どもの「こころの理解」の基本はここが最も肝腎です。

ここでは「肌を離さず、思い切り甘やかし、温もりを伝え、愛情を最大に注入すべき時」です。
 
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▼六つ躾(むっつしつけ)
子どもにとって、脳が最も柔軟で、かつ人間形成に重要な時期です。
この年までに、日常生活の過ごし方、他人との接し方、物の扱い方をはじめ、挨拶の基礎、しぐさ、作法など、基本的な躾を行い、頭と身体を結びつけることが肝腎です。

この時期は「肌を離し、手を離さないようにし、人のこころを伝える重要な時」です。
 
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▼九つ言葉(ここのつことば)
この年頃(現代的に言えば、小学1年〜3年生までの時期)より、集団生活や他人との交流を活発に行うことで、人としての基本的な性格の基礎が形成されます。
この年までに、家庭内での挨拶、他人への挨拶、口の利き方、他人との接し方などの人間関係の基本を学ばせ、言葉の語彙を豊富にするために多くの対話の時間を設け、意志を伝えさせ、考えさせ、学ばせる、重要な時期です。

この時期は「手を離し、目を離さないようにし、人間としての自立を意識させる重要な時」です。
 
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▼十二文(じゅうにふみ)
この年頃(現代的に言えば、小学4年〜6年生までの時期)は、それまでになんとなく遊んでいた友達から、自分で選ぶ友達が増え、仲間(≒ 社会)を意識し始める時で、ここで社会適応力が形成されます。この年までに、文章で自分の意志や起きている情況などを正しく人に伝えることができる力を学ばせ、学校という集団社会、そこから日本社会についても理解を深めさせる重要な時期です。

この時期は「目を離し、こころを離さないようにし、ひとりの人間としての意志を確立させる重要な時」です。
 
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▼十五理(じゅうごことわり)
この年頃(現代的に言えば、中学1年〜3年生までの時期)は、最終的な自立の段階を迎え、親との向き合い方も大きく変化する時です。この時期に第二次反抗期を迎える子どもたちが多いのは、子どもから大人への大きな変化を身体でも感じ、こころでも実感することが多くなるからです。
この年までに、家族の役割、社会の役割、自然の摂理をはじめ、森羅万象の様々な原理・原則を知り、知るだけでなく、実感として体感、経験し、理解を深めることが重要な時期です。

この時期以降は、「こころを離さないようにし、一人の人間として認め、対等に接していくため(将来の親と子の関係の基礎)の土台を築くための重要な時」です。
 
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以上の段階は、「鉄は熱いうちに打て」の諺のとおり、肉体と脳の発達過程に従って考えても重要な原則です。
 
この子どもの成長・発達段階に対応していくためには、家庭で躾や教育を行う親自身が、最も勉強をしていかなければなりません(子ども以上に)。
 
これらを必要な年代ごとに経ていかないと、人として重要な感情が形成されず、こころが未成熟な状態となってしまうばかりか、健康な身体の成長にも影響を与えることにも繋がり、社会への適応能力も欠如する人格が形成されてしまいます。

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